「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝」を観てきた。

 2019年9月6日より3週間限定で公開されました「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝−永遠と自動手記人形−」を2日目に観てきました。自分が住んでいる福岡近辺では、公開している映画館が博多のT-JOY博多だけで、2日目(土曜日)のレイトショーで観ましたがほぼ満席でした(席前が通路のめちゃくちゃいい席を取ったのだが、なぜか右となりのみが空いていた)。そして、普段買わないパンフレットをこの作品だけは欲しいと思っていたのですが、なんと売り切れでした。映画館側でどのくらいの予想をしていたのか、はたまた印刷が間に合わなかったのか、よくわかりませんがもっと数を用意しておいて欲しかったですね(しかし、その後メルカリに高値でたくさん出ているのを見て、怒りと悲しい気持ちになってしまいました)。でも、入場者プレゼントは手に入れることができました。

入場者プレゼント

3パターンでランダムに配布されていたようです。自分が頂いたのは原作の暁佳奈さんが書いた「リオン・ステファノティスと一番星」でした。短編小説ですね。

 もちろん忘れもしない2019年7月18日に京都府京都市伏見区の京都アニメーションで起きた放火事件。「涼宮ハルヒ」「けいおん!」などといった誰もが知る日本一、いや世界一といっても過言では無いアニメーション製作会社であり、その作品たちは作画やシナリオなどすべてにおいて製作に携わっている人たちの愛情を感じます。この事件の後で観る作品なので、当然なんともやりきれなく思うところはありますが、作ってくれた方々の証でもあるこの作品をとにかく楽しもうという気持ちで観ました。

 物語の内容は、ネタバレになるので控えます。前半後半と大きな2部構成になっており、初日に観た方の感想で2部構成というのは知っていたので、二つの話をまとめているんだと思っていたら違いました。TVアニメシリーズを観た方ならわかりますが、TVアニメのクオリティそのままで90分の長さがあるためか、情景を伝える背景などのカットが少し増えている印象でした。

 普通のアニメの劇場版のTVアニメ版とのは違いは、ほとんどの作品が作画やシナリオ全て上位互換な訳で、劇場版には当然期待します。しかも、「外伝」ってことは、俗に言うOVA的な立ち位置の作品なんだろうかと思っていました。しかし、ヴァイオレット・エヴァーガーデンのTVアニメ自体が劇場版クオリティであり、すでに最高なんですよね。だからこそ、例えOVA的立ち位置でも、この劇場版に期待せずにはいられませんでした。

 そして、ヴァイオレット・エヴァーガーデンのすごい所は、人物以外の背景(街並み・空・樹木や花などの植物・動物・建物・装飾品など、また暗闇の描写に至るまで)が1ミリの手抜きも無く、めちゃくちゃ綺麗でまさに芸術品とも言うべき美しさである部分です。ここまで美しい絵で描かれるからこそ、この美しい話が人間の心に届くのだと、また改めて思いました。

 さらに髪を編む描写を始め、ヴァイオレット他の登場人物の仕草や心情を表す描写が素晴らしく、わざとらしさが皆無で、自然で観ている人の心にスーッと入って来る。美しい絵と美しい動きが、他のアニメとは比べ物にならないくらいレベルが高いのでは無いかと思う。

 50近くのおじさんが、アニメ観てむせび泣くのはやはり恥ずかしいので、ぶっちゃけ涙をこらえて観ていました。が、全く無駄な抵抗でした。むしろ終始涙ぐんだ状態で、さらに涙腺の堤防決壊ポイントがいくつかある訳です。京都アニメーションの事件があったから泣いたのでは無く、作品を観て素直に泣いてしまいました。もう感無量とはこのこと、この時代に生きていて良かったと素直に思いました。ちなみに、隣の自分よりも少し上のおじさんも終始手で涙を拭っていましたね。

 映画を観た後に、自分はこういうことをTwitterでつぶやきました。

 ヴァイオレット・エヴァーガーデンって、TVアニメシリーズでももちろんそうなのですが、初めて観る話のハズなのに、観ると小さい時に観た外国の童話やおとぎ話を思い出した感覚に近く、とてもすごい懐かしい気持ちになります。それがなんとも心に気持ち良くて、優しい気持ちになります。この感じは、他のアニメではたぶん感じたことのない感覚です。自分と同じような気持ちになった人は、年配の人に多いのかもしれませんが。

 ヴァイオレットの声って石川由依さんが声優なんだけど、すごい合ってると思う。というより、石川由依さん以外の声優さんは有り得ない。演技の上手さはもちろんだけど、なんかヴァイオレットの真っすぐで汚れがなく、それでいて強さを感じる声を見事に表している。そして、イザベラ・ヨーク役の寿美菜子さんも素晴らしい。段々とヴァイオレットに心を開いて行き、かけがえのない友になるまでを見事に演じてらっしゃいました。他の声優陣ももちろん素晴らしいんだけど、この作品のテイラー・バートレットという女の子を演じているのが、悠木碧さんになります。自分が好きな「魔法少女まどかマギカ」の鹿目まどかや「戦姫絶唱シンフォギア」の立花響などの役を演じる日本のトップクラスの声優さんです。彼女の演技の凄さは、誰もが知るところなんだけれども、このテイラーという少女のあどけなさや可愛らしさ、健気さみたいなものの表現が上手すぎて、本当に凄い。彼女の演じた作品では、何度か泣いたことあるけど、この作品におけるテイラーには完全に心持って行かれました

 2020年1月10日に公開を予定していた「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の公開日延期が告知されました。痛ましい事件に遭われた方たちが、止まることなく前を向いて作品を作っています。アニメを作ることにこだわりを持って、さらに沢山の愛情を注がれていることを知っています。だからこそ、いつまでも待ちます。

 「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝−永遠と自動手記人形−」は、当初3週間限定公開でしたが公開延長が決まったようです。京都アニメーションの方たちの想いがつまった作品でもあり、生きた証でもあります。この作品が、ひとりでも多くの方に観てもらえることを望みます

  最後に、事件において被害に遭われた方々のご回復と、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りいたします。

*この記事は、2019年9月16日に加筆修正しております。

劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝−永遠と自動手記人形−公式サイト

あわせて読みたい